2014年4月25日金曜日

Music Unlimited/ベストヒッツJAZZ 第21回はジョン・コルトレーン特集!

今回のMusic Unlimited/ベストヒッツJAZZは前回に引き続きアーティスト特集、トランペットのマイルス・デイビス、ピアノのビル・エヴァンスに続いてはやはりサックスの巨人ジョン・コルトレーンですよね。世紀の名盤『Kind Of Blue』繋がりということで(笑)。

1926年9月23日、ノース・カロライナ州生まれ。実はマイルス・デイビスと同じ歳なんです。1945年6月5日、初めてチャーリー・パーカーの演奏を目の当たりにし大きく影響を受けたそうです。同年11月にはマイルスはチャーリー・パーカーらとレコーディングしていますから、早くから頭角を表したマイルスと遅咲きのコルトレーンの違いが表れていますね。その10年後の1955年にマイルスのクインテットに加入してからコルトレーンの名が知れるようになり、1957年にリーダー作「COLTRANE」をPrestigeからリリース、1967年7月17日に40歳という若さでなくなっていますので、プロのミュージシャンとしての活動期間は10年程度しかありません。

しかし、その10年の間に常に前進を続け、ジャズを新たな世界に導いていきました。演奏は徐々に激しくなり、シーツ・オブ・サウンド奏法(音を敷き詰めるようなサックス奏法から)と呼ばれたり、晩年にはフリー・ジャズに突き進んでいきました。Prestige、Blue Note、Atlantic、そして最後はImpulse!と渡り歩きましたが、最後のImpulse!はコルトレーンが築き上げたレーベルと言っても過言ではありません。「インパルス・レコード物語 ジョン・コルトレーンが築いたレーベル」と言う本も出版されていますので、興味ある方は読まれてみては?

新しい音楽との出会いを!



1. Bakai
デビュー・アルバム「Coltrane」より。まだ初々しい演奏を聴くことができます。プロデューサーのボブ・ワインストックから提示された条件がアルバム1枚あたり$300だったとか!? 1957年5月31日録音。

2. Good Bait
アルバム「Soultrane」より。当時、マイルスのバンドで一緒だったピアノのレッド・ガーランド、ベースのポール・チェンバースに加え、ドラムにはアート・テイラーという初期の人気作品。1958年2月7日録音。

3. Like Someone In Love
アルバム「Lush Life」より。1957年〜58年にかけて行われた、3回のレコーディング・セッションから未発表曲を集め1961年にリリースされたアルバム。このトラックは1957年8月16日録音。

4. Freight Trane
ギタリスト、ケニー・バレルとの共同リーダー・アルバム「Kenny Burrell & John Coltrane」より。1958年3月7日録音。コルトレーンが既にAtlanticに移籍するタイミングだったため、契約の問題から1963年にNew Jazzというレーベルからリリースされましたが、1967年に改めてPrestigeからリリースされました。

5. Don't Take Your Love From Me
アルバム「Standard Coltrane」より。やはりこれも1958年録音の未発表セッションを集めて1962年に出したアルバムですが、まぁなんと素晴らしい演奏の数々。1958年&月11日録音。

6. Blue Train
Prestigeと契約していたコルトレーンが、変則的にかつ唯一Blue Noteにレコーディングしたアルバム「Blue Train」より。Blue Noteの中でも大変人気のある作品で、RIAAのゴールド・ディスクにも選ばれています。1957年9月15日録音。

7. Shifting Down
アルバム「Coltrane Time」より。元々は1959年にリリースされたピアニストのセシル・テイラーのリーダー作だったのですが、後からコルトレーン名義として1963年にリリースされました。レーベルもUnited Artistsだったのですが、後にBlue Noteからリリースされています。1958年10月3日録音。

8. Giant Steps
ここからAtlanticレーベルに移籍、第一弾アルバム「Giant Steps」より。間違いなくコルトレーンを代表する1枚ですし、後にサックス奏者を目指す若者にとってお手本となるようなアルバムです。2003年、ローリングストーン誌の「Rolling Stone's 500 Greatest Albums of All Time」で102位にランクされたそうです。1958年録音。

9. Village Blues
Atlantic第二弾アルバム「Coltrane Jazz」より。ここから、後々ずっと重要なパートナーとなるマッコイ・タイナー(piano)、エルヴィン・ジョーンズ(drums)がメンバーに加入します。1959〜60年録音。

10. My Favorite Things
これまたコルトレーンを代表するアルバムの一枚「My Favorite Things」より。このアルバムで初めてソプラノ・サックスを使用。その後、コルトレーンにとっては重要な楽器の一つとなっていきます。1993年、Grammy Hall of Fame Award受賞。1960年録音。

11. Olé
Atlanticレーベル最後のアルバム「Olé Coltrane」より。このアルバムではエリック・ドルフィーがフルートで、そしてトランペッターのフレディ・ハバードが参加し、3管編成となっています。この曲は演奏時間が18分を超えるなど、コルトレーンの進む道を示しています。ザ・スタイル・カウンシルのポール・ウェラーが長年愛聴してきて影響を受けた曲を集めたコンピレーション・アルバム「Under The Influence」にも収められています!1961年5月25日録音。

12. Blues To Bechet
アルバム「Coltrane Plays The Blues」より。コルトレーン契約終了後の1962年リリース、アルバム「My Favorite Things」のセッションから未発表曲を集めたもの。1960年録音。

13. The Night Has A Thousand Eyes
アルバム「Coltrane's Sound」より。このアルバムも上記同様、コルトレーン契約終了後の1964年リリース、アルバム「My Favorite Things」のセッションから未発表曲を集めたもの。1960年録音。

14. Cherryco
ドン・チェリーとの双頭アルバム「The Avant-Garde」より。このアルバムは1960年に録音されたものの、コルトレーン契約終了後の1966年になってようやくリリースされた。ソプラノ・サックスを使用した録音としては、実は「My Favorite Things」より以前にこの作品が録音されている。

15. Greensleeves
そしていよいよIMPULSE!移籍第一弾「Africa/Brass」より。このアルバムは、先のAtlantic最後のアルバム「Olé Coltrane」の録音2日前にはレコーディングが始められている。当初、アンサンブルのアレンジにはギル・エヴァンスに依頼しようとしていたらしいが、結果的にはエリック・ドルフィーとマッコイ・タイナーがオーケストレーションを行っている。1961年録音。

16. Softly As In A Morning Sunrise
コルトレーンにとって初のライヴ・アルバム「Live At The Village Vanguard」より。1961年11月2〜3日録音。この日のセッションは、更に別のアルバム「Impressions」としてもリリースされます。あえて聴きやすさからポップ・チューンとして有名なこの<朝日のようにさわやかに>を選びましたが、同じアルバムの3曲目に収められている<Chasin' the Trane>もジャズの非常に重要なトラックとなっているので、ご興味あれば是非聴いてみてください!(Music Unlimitedでは残念ながら現時点では配信されていないようです....)

17. Out of This World
アルバム「Coltrane」より。Atlantic時代も同名のタイトル・アルバムがあるので要注意。こちらは1962年録音。この曲は実にエモーショナルで精神的に鼓舞されるというか、実に素晴らしい演奏です。個人的にはコルトレーンのフェイヴァリット・アルバムかも。

18. Say It (Over And Over Again)
アルバム「Ballads」より。マイルスの「Kind Of Blue」と並んでジャズを代表する1枚ともなったベストセラー作品。ジャズの初心者にオススメの一枚であるし、ただ単にリラックスした演奏というだけでなく、緊張感溢れるバラード演奏も収められた素晴らしい作品。2008年Grammy Hall of Fame Award受賞。1961〜62年録音。

19. In A Sentimental Mood
デューク・エリントンとの共同アルバム「Duke Ellington & John Coltrane」より。「Ballads」同様、落ち着いた演奏で、且つほとんどがワン・テイクで録音も一日で終わっている。「デュークと共演できたのはとても光栄だ」とコルトレーンは語っていますが、プロデューサーのボブ・シールによる思惑もあったようです。1962年9月26日録音。

20. They Say It's Wonderful
こちらはヴォーカリストのジョニー・ハートマンとの共同アルバム「John Coltrane and Johnny Hartman」より。「Ballads」「Duke Ellington & John Coltrane」と並んで、ジャズをこれから聴こうという人に超オススメの一枚。私も初めてこのアルバムでジョニー・ハートマンの声を聴いた時、一発でやられました。1963年3月7日録音。

21. Alabama
アルバム「Live at Birdland」より。【バードランド】でのライヴ録音とスタジオ録音を組み合わせたアルバムで、この曲はスタジオ録音。1963年9月15日に起きた16th Street Baptist Church bombingと言うテロ事件で亡くなった4人の子どもたちに捧げた曲。1963年録音。

22. India
アルバム「Impressions」より。先にピックアップした<Softly As In A Morning Sunrise>と同じ【ヴィレッジ・ヴァンガード】でのライヴ・レコーディング。アルバムでは他にスタジオ録音も2曲収録。1961〜63年録音。

23. Wise One
アルバム「Crescent」より。マッコイ・タイナー(piano)、ジミー・ギャリソン(bass)、エルヴィン・ジョーンズ(drums)と言うこの頃の揺るぎないカルテットでのスタジオ録音盤。1964年録音。

24. Chim Chim Cheree
アルバム「The John Coltrane Quartet Plays」より。この後に取り上げるコルトレーンの最高傑作とされるアルバム「至上の愛」よりも録音が後なんですよね?1965年録音。

25. A Love Supreme Part I: Acknowledgement
録音順、リリース順とは異なるのですが、最後はやはりこの曲で締めくくった方がいいかな?と言うことで。本来収められているアルバムは「A Love Supreme」(邦題:至上の愛)なのですが、現時点でこのアルバムが正規に配信されていないようなので、このコンピから。まぁ、ジャズの評論家の方からはいろんな事を言われているアルバムですし、実際スッと心に残るアルバムかといえば、ちょっと難解な方に属するかと思いますが、聴いているうちにだんだん病みつきになりますよ。私はこのアルバムを爆音で聴きながら車を走らせるのが最高のストレス発散です(笑)。1964年12月9日録音。

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